2010年3月2日火曜日

『マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった』

旅行で行ったネパールで、「本を持って帰ってきてください」と言われて、本当に中古本を集めてネパールに戻ったところからRoom to Readの活動は始まった。どこかで聞いたことがあるような。。。「カバレには教育が必要です。ここに学校を建ててください。」 8年前この一言で僕は学校を建てにウガンダに戻った。結局学校は建てなかった。その後社会起業家というものに対するワクワク感もなくなっていた。そんなワクワク感を取り戻させてくれた一冊。

なぜ僕は学校を建てずにゲストハウスを建てたのか。なぜ学校を建てに行く人がいるのか。探していた質問の答えが巻末にあった。「考えることに時間をかけすぎず、飛び込んでみること。」 あのとき、現地のニーズだなんだって考えずに学校を建てていたら・・・、いま自分は何をやっていたんだろう。今日この本に出会って、自分はこれから何をやっていくんだろう。

あまりに素晴らしい本だったのでかなり脱線してしまいました。。

●Room to Readの慈善活動の新しいビジネスモデル
 ①活動の成果や出費の内訳を詳細な数字で報告する。
 ②人件費などの運営コストを抑え、実際の活動に最大限の投資をする。
 ③地域社会も資金や労働力を提供し、住民が主役となってプロジェクトを定着させる。
 ④地元の優秀なスタッフを集め、地元の文化に合わせたプロジェクトにする。

 ・「寄付をする選択肢は数えきれないほどある。彼らがRoom to Readを選ぶ理由が必要なのだ。」
  ⇒寄付者のニーズを考える必要がある。「寄付者」と「被寄付者」の双方のニーズを満たす解決策が必要だ。
  ⇒寄付者自身に宣伝活動をしてもらう。自分の寄付で建った学校の写真を友人に見せれば、自分も寄付をしようと思う人が増えるはず。

 ・「真の起業家は、どのようにすればいいかまったくわかっていなくても、新しい製品やサービスを世界に向けて堂々と発表する。いったん大胆な目的を発言すれば、そのもとに大勢の人が集まる。」

 ・「援助計画を成功させる唯一の方法は、地元の住民にも労働力と少額の資金を提供させることだ。」

 ・「経験の少ない慈善活動が見過ごしがちなスキルのうちもっとも重要なひとつは、自分たちのビジョンやビジネスモデルやプログラムを、寄付してくれそうな人に売り込む能力だ。」

●最貧国の教育の現状について

 ・「男の子を教育することは、その男の子を教育することにしかならない。女の子を教育することは、家族全体と、さらには次の世代をも教育することになる。」

 ・「教育は貧困から抜け出す唯一のチケットである。」
  ⇒貧しい人は教育を受ける余裕がなく、教育を受けていないのでいつまでも貧しいままだという「貧困のラットレース」からなかなか抜け出せていない。

●名言
 ・「自分がどれだけ多くのことができ、どれだけ多くのものになれるかという可能性を知れば、どんな人間も不安でたまらなくなる」(キルケゴール)
 ・「1人の死は悲劇だが、100万人の死は統計上の数字でしかない。」(毛沢東)
 ・「バンドエイドをはがす方法は二つある。痛いけどゆっくりはがすか、痛いけど一気にはがすか。」

●その他アイディア
 ・「たんなる旅行者にはなりたくなかったから、自分たちで寄付金を集めればいいと考えたのだ。」
  ⇒旅行に旅行以上の「+α」を持たせることは、旅行者として賛成!

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